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審美歯科技工所 ていね社のココロ

株式会社ていね社社長 伊藤彰英の歯科技工士日常ブログ

選挙協力とかが来ますが・・・

なんといいますか、修羅場というものはなかなか出会うものではありませんね。

 27年前、私が勤務技工士で、まだその会社も残業が多い時代、私の一つ年下の後輩がwaxupの途中で「わー!もう耐えられない!」と部屋の扉をバターンと押しのけて、外に飛び出て行ってしまった事があります。時代はバブルのまっただ中。営業すれば幾らでも仕事がとれた時代です。

「ななな、なんだ?」驚いたのは他のスタッフです。私もあっけにとられていました。

 私自身も月160時間などという残業をしていた時代な訳ですが、なんとかギリギリの精神状態で踏みとどまっていたという感じで、彼の気持ちを考えてあげる余裕も無かったのですが、その後彼から電話があり、私や他のスタッフに詫びていましたが、その上でもう職場に戻るつもりの無い事を告げられました。

大変悲しい話ですが、若干22歳の若者(←私)にはなにもしてあげる術が無かったのも事実です。

 これはほんの一例で、多分日本中の歯科技工所で同じような話が沢山あったと想像します。いや、まだ続いている技工所もあるのかもしれませんね。

 残業160時間の世界は過酷です。

朝からTBSラジオの「ゆうゆうワイド」を聞きながら仕事をして、夕方の6時ごろに時計を見ながら「あと68時間かぁ」などとため息をつきつつ、夏は先輩がラジオをナイターにチューニングしたものを聞きつつ、それが終わると深夜番組を聞きつつ、明日Setの技工物の研磨作業にひたすらいそしむ訳です。

 当時は土曜も仕事でしたから、実際終わるのは日曜の朝方とか。

もう、日曜は家に帰って寝て起きたらサザエさんをやっている・・・というような生活です。

疲労が溜まっていて、家でご飯を食べても体が受け付けず、戻してしまいます。

 もう、良いものを作りたいとか、患者様に喜んでもらいたいとかいう思考はそこにはありません。

ただただ、早く帰りたい(通勤に往復2時間以上)沢山寝たい(平均睡眠時間42時間)好きなものが食べたい(毎日仕出しの弁当が主食)暖かいフロに入りたい(夜中に帰るとフロは冷めている)という基本的な欲求だけで、仕事に対する崇高な思想など皆無なのです。

 そういう長時間労働・低賃金の歯科技工の犠牲の上に成り立って来たのが歯科技工業界で、それはそのままの考え・体制では衰退は必然です。

自分の子供に同じ様な思いをさせたくないと思うのはどの親も一緒。

歯科技工士は減ってしかるべき。なるべくしてなっている。

 私は今でこそラボを経営していて、弊社はそのような状況から抜け出している訳ですが、当時を思い出すと未だに若年の歯科技工士の減っている現状は「あたりまえだ」と思っている瞬間があります。辛かった若い時代を決して「あの頃があったから今があるのだ」などと美化するつもりもありません。

あんな経験はしなくて済めばしない方が良いという考えは変わりません。

歯科技工士減少の問題は、こんな環境を続けてきた業界にも問題がありますし、無関係を装っている歯科関係者全体にもありますし、制度を管轄する政治にもあると思いますが、自分は自分なりに「自分で抜け出した」自負があるので、必死に考え実行する何かが必要なのだと思います。

 世の中でブラック企業なんやかんやと騒がれていますが、そんなものは最近現れたのでは無く昔から存在している訳で、歯科技工はその確率が高い職場が多かったという事ですね。

 変えるのは自分で、一人一人がなんとかして行く必要があります。

体制に頼るのはナンセンス。やるかやらないか、それだけです。
選挙協力と言われても私は全くピンときません。

 

 

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この記事へのコメント

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無題

いつもブログ拝見させて頂いてます。
私は都内の院内ラボで勤務していまして、技工歴11年目です。
今回のブログにとても共感致します。

私が卒業した技工学校の仲間も今ではほとんど辞めてしまいました。
中にはトレセンなど、卒後教育機関に進学したのに、卒業後に就職した仕事場のキツさに業界を去った者も居ます。

お金も、時間もかけたはずだし、何よりその仕事への熱心な想いが業界で潰れていくのが悲惨です。

別の職種でも同じだとは思いますが、歯科技工は社会的にも貢献度の高い仕事だし、やりがいも本来はあります。
ただ労働時間がキツイ。。耐えれずほとんど辞めて行く人が多い。

ブログの記事の様に、今技工をしている一人一人が業界の為、ひいては自分の為に行動して欲しいと思います。

それが患者様の利益にも繋がりますし、補綴物製作するより仕事の優先順位が低いとは思えません。

私の勤務する院内でも勤務5年目にして色々実践した甲斐があり、勤務状況をかなり改善出来ました。

出来たら補綴物製作の勉強会だけでなく、歯科技工の業務の改善を皆さんで考え、具体的な案を提案出来る様なスタディーグループを作れたら嬉しいです。

今現場ではそれを形に出来るブレインが必要かと思います。

第二浜野歯科医院 院内技工士 萬永
(先日はカレンダーを頂きまして有難う御座いました)
  • from 萬永喬義 :
  • 2013/07/05 (20:17) :
  • Edit :
  • Res

無題

コメントありがとうございます。

補綴物製作に関する枝葉末節な技術や重箱の角をつついたような技術のオンパレードがもてはやされた一方、この業界の行く末や、若い技工士の生活を含めた待遇をきちんと考えてこなかったのはこの業界の誤りですね。

未だに、この技術のみに特化して興味を持つ技工士さんが多いのも気になります。

経営と技術のバランスを考え、利益だけに走るのではなく、永続性や精神的な安定も取り入れて経営をする事が大切かと思います。

まぁ、言葉では簡単ですが、実践していくのは日々やせ我慢の連続です。
こういった話の勉強会というのも一案ですね。

利益が絡まない範囲で、腹を割ってはなせる人同士の集まりでないと難しそうですが。
  • from ていね社 :
  • 2013/07/06 (07:18) :
  • Edit :
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職業:
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